Q. 花瓶に適したAC100のコーティング剤はありますか?
A. ステインプルーフコートをおすすめします。
AC100は、長時間水に触れていると表面が脆くなり劣化してしまいます。ジェスモナイトオンラインショップでは、AC100に使用できるコーティング剤として「ステインプルーフコート(グロス/マット)」と「AQSコート」「アクリリックシーラー」の3種を販売しています。
フラワーベースや花器など長く水に接する用途では、2液性で塗膜が強いステインプルーフコートの使用がおすすめです。
2種類のコーティング「AQSコート」と「ステインプルーフコート」をそれぞれ塗布したサンプルに、2日間水を貯めて経過を比較観察してみました。
48時間 水溜めテスト(事前乾燥7日間)
▼ Jesmonite AC100成型物 に各コーティングした様子
ジェスモナイトAC100に黒ピグメントを約2%いれ、シリコン型に入れて成型しました。
型から出した後、3日ほどAC100を乾燥させてから、コーティング剤を内側にだけ塗布しています。
コーティング剤は「AQSコート セミマットクリア」と「ステインプルーフコート マット」の2種類です。
※養生7日間とは?…コーティング塗布後、通気性の良い場所で7日間乾燥させたという意味です。
▼ 水入れスタート
▼ 2時間後
2時間ほど経過すると、AQSコートの器はほんの少しコーティング部分が白っぽくなりました。ステインプルーフコートには特に変化は見られません。
また、どちらも底面・側面からの水の染み出しは見られません。
▼ 6時間後
どちらのコーティングも少し塗膜面が白くふやけたようになっています。
どちらも底面・側面からの水の染み出しは見られません。
▼ 24時間後
24時間経過すると、コーティングの白さ(塗膜面が水を含んで少しふやけたような感じ)がより目立つようになってきました。
しかし、どちらも底面からの水の染み出しなどは見られません。
▼ 48時間後
丸2日が経過しました。AQSコート・ステインプルーフコートともに塗膜面の状態は24時間の時点からあまり大きな変化は見られません。しかし丸2日経過したところで、AQSコートの器の底部は僅かに湿り気を感じ、下に置かれた紙が少し湿気を吸ってヨレていました。
ステインプルーフコートの方は底面に湿気は感じず、底の紙も変化がありませんでした。
▼テスト終了後の様子
容器の中の水を捨てて15分ほど乾かした状態です。
▼AQSコート
▼ステインプルーフコート
水を捨てた直後はコーテイング面がふやけて白っぽいですが、どちらも乾燥するとまた元の透明な塗膜の状態に戻ります。
テストの結果
水貯め48時間のテスト結果として、いずれも塗膜面には変化がありました。AQSコートの方は底面の裏側にわずかに湿気が感じられたため、さらに長期間の水溜めをすると少しづつ水分が染み出てくる恐れがありました。今回のテスト結果では、より水が漏れにくいのはステインプルーフコートのほうでした。
※コーティングが不十分だったり乾燥が不十分だったりすると、ステインプルーフコートを使用しても水が漏れる可能性があります。水を貯める場合、塗布技術や乾燥度合いがシビアに結果に反映されます。
コーティング剤塗布のコツ
コーティング剤の塗布は、薄塗りし過ぎずに、一定の厚みの塗膜を作り、最低でも2回塗りを推奨します。
1回目と2回目の塗布間隔は適度に空け、1層目が生乾きのまま2層目で閉じ込めないようにしてください。
またコーティング剤を塗布した後は十分に養生(乾燥)させることが大切です。塗布して2~3日程度では、見た目や触った感触は完全に固まったようにみえても、完全に乾燥して塗膜強度が十分に上がるまでにはまだ不十分です。特に水などの液体に長時間触れる場合には、最低7日間は通気性の良い場所で乾燥させることを推奨します。
乾燥時間が不十分だった場合の水溜めをするとどうなるのか、実験をしてみた様子がこちらです。
参考:水溜めテスト ※事前乾燥2日間のみ
コーティング剤を塗ってから2日間だけ養生(乾燥)し、その後水を入れてみました。
今回のテストでは、白い容器がステインプルーフコート、黒い容器がAQSコートです。(上のテストと左右の位置が逆です)
▼水を入れて6時間
AQSコートの器はコーティングが白くふやける速度が、7日間養生したものに比べて非常に早く進行しています。ステインプルーフコートの器は白のため、コーティングの白化は視認しにくいのですが、底面にコーティング層が剥離した気泡・水泡ができてしまいました。
▼AQSコート
ステインプルーフコートの器は、水に触れた面はかなり白く弱くなっています。
▼ステインプルーフコート
ステインプルーフコートの器は、底面にいくつかの気泡ができてしまっています。このような水ぶくれは、乾燥が不十分な塗膜に水を触れさせるとしばしば起きる現象です。
水に触れる前提でコーティングする際は、塗布時に薄くしすぎないこと、そして「よく乾燥させる」ことを心がけてください。
「水を入れる場合は、最低7日間の乾燥」が大事なポイントです。
ぜひ、それぞれ制作物に合わせたコーティング剤を選びご利用ください。
【ステインプルーフコート(マット)550g】https://jesmonite.official.ec/items/81248084
【ステインプルーフコート(グロス)550g】https://jesmonite.official.ec/items/81247995
※他サイズもございます。