ジェスモナイトのキャンドル染みは防げますか?


Q. ジェスモナイトにキャンドルを注ぐと染みができてしまいますが、防ぐことはできますか?

A. コーティングで染みを防げます。

無塗装のジェスモナイトAC100・AC730は水や油をすこし吸うため、溶かしたロウを注ぐとロウが染みて色が変わってしまいます。
染みを防ぎたい場合は、保護力の高い「ステインプルーフコート(グロス/マット)」もしくは「AQSコート」を使用してしっかりコーティングすることがおすすめです。またコーティング塗布後の乾燥をしっかりすることも大切です。

各コーティングの様子を比較するため、3種類のコーティング「AQSコート」「ステインプルーフコート」「アクリリックシーラー」をそれぞれ塗布したサンプルにロウを注ぎ観察してみました。

ジェスモナイト製の器の準備

▼ Jesmonite AC100に3種類のコーティング
AC100の器は型から外して3日間ほど乾燥させた後に、コーティング剤を内側にだけ塗布しています。
こちらの写真はコーティングを塗布した直後の様子です。
コーティングは塗布して半日程度で指で触ってもつかなくなりますが、頑丈な塗膜を作るためには、7日間程度時間を置いてしっかりと乾燥させます。

 

▼ 溶かしたキャンドル/蝋を注いだ様子

今回テストで使用したキャンドル/蝋は、仏壇用ローソクなどで使用されているパラフィンワックスを主原料としたものを使用しています。
一般的なパラフィンワックス融点は70度程度でジェスモナイトの耐熱温度を下回っているので問題ありません。

▼ 無塗装の器
無塗装のものはすぐにキャンドルが染み込んで、色が濃くなっています。

 

▼ 4時間後
4時間ほど経過すると粗熱が取れ、ロウがほぼ固まった状態になりました。どれも底面・側面からのロウの染み出しは見られません。

 

▼ 24時間後
コーティングを施したものは、無塗装に比べるとどれも染みを防いでいます。
ステインプルーフコートの器は容器とキャンドルの間に、1mmほど隙間が空いています。キャンドル(ロウ)は液体が冷えて固まる時に少し縮みます。蝋の表面がヘコんでいるのもこのためです。縮むことで容器とキャンドルの間に隙間ができています。塗膜の保護力が高く「くっつかない・(汚れが)はがれやすい」状態になっているため、このような隙間ができます。

 

▼テスト終了後の様子
容器の中のロウを湯せんで溶かして捨て、その後1日乾かした器の様子です。

それぞれの器の壁面の染みの様子をよく見ていきましょう。

▼無塗装のAC100:ロウの染みがはっきりと濃い色で残っています

▼アクリリックシーラー:基本的に防いでいますが、ところどころに濃い色のドットができています

▼AQSコート:かなり防いでいますが、わずかに色が濃くなっています

▼ステインプルーフコート:色が濃い部分は見られません

 

テストの結果

無塗装に比べるとどのコーティング剤も染みを防げています。特にステインプルーフコートはロウの染みをほぼ防げていることが分かりました。塗布の厚みや条件によっても変わると思いますが、今回の実験結果を参考に、長く使える素敵なキャンドルホルダーがたくさん作られていくことを願っています。