Q. ジェスモナイトを粘土のように手でこねて形を作れますか?
A. はい、フィラーを入れると粘土のように扱えます。
無添加のジェスモナイトAC100は液状のため、型に流し込んで使用されることが多いです。ジェスモナイトAC100/200専用の増粘剤として「Thixotrope」がありますが、こちらは粘度は高まりますが、固形物としてこねるほどの硬さにはなりません。
粘土のように扱うためには「フィラー」という粉体の添加材を加えるとうまくいきます。
フィラーを入れて粘土状になっても、ジェスモナイトAC100の硬化時間は大きく変わらないので、15分以内に形作りの作業を終える必要があります。
フィラーは用途に応じて様々な種類があるため、今回ジェスモナイトAC100にいくつかのフィラーを混ぜてみた様子を紹介します。
フィラー3種
今回は3種類のフィラーをご紹介します☺
▼ミルコン
樹脂の増粘や、塗料の分散に使われる無機鉱物からできた白くてまとまり感のある工業用粉です。
▼シラスバルーン
シラス台地の堆積物からできたベージュ色の中空体で、軽量化や断熱化によく使われます。
▼フュームドシリカ
少量添加で樹脂やシリコンも増粘できる、煙のようなフワフワの工業用粉です。
使用例各種
それぞれをジェスモナイトに添加し、手でこねて動物を作ってみました。
ひとつづつ作業感を紹介します。
ミルコン
まずはミルコンで作ったヒヨコ。
ジェスモナイトの液体と粉をよく混ぜた後、ミルコンを 6% 添加しました。
(ジェスモナイト100gに対して、ミルコン 6g)
混ぜていきます。
3種の中ではかなり扱いやすく、粘りや硬さもこねやすいものでした。
完成したものの表面も比較的つるっと綺麗で、細かい作業もしやすいです。
シラスバルーン
次にシラスバルーンを添加した猫。
ジェスモナイトの液体と粉をよく混ぜた後、シラスバルーンを合計 9%添加しました。
(ジェスモナイト100gに対して、シラスバルーン 9g)
こちらも手にベタベタとくっつくことは無く、作業感は悪くありません。ただ粘土のように触るにはかなり柔らかめで、シラスバルーンの添加量が少ないと時間と共に少しづつダレてきます。(片栗粉に水をいれて練った感触に近いです)
今回の実験でも最初8%添加して、もう少し硬くしたくて、後から1%追加しました。
シラスバルーンのベージュ色が入って、ジェスモナイトがベージュ色になり、ちょっとザラつきのある優しい雰囲気です。
フュームドシリカ
最後に、フュームドシリカで作った犬。
ジェスモナイトの液体と粉をよく混ぜた後、フュームドシリカを合計 0.8%添加しました。
(ジェスモナイト100gに対して、フュームドシリカ 0.8g)
他の2つのフィラーに比べてヒュームドシリカはとても軽いため、重量でいうとかなり少ないです。
まず0.4%添加して練ってみるととまだ粘度が低く、こねることは難しそうでした。
追加で0.4%添加してみると、今度は少し入れすぎだったようで若干ホロホロになりました。
練ってみるとヒビ割れが目立ちますが、形を作ることができます。
今回は「こねやすさ」「粘土に近しいかどうか」を中心に記載していますが、作りたいテクスチャによってベストな配合は変わってくると思います。
また、フィラー次第で粘土のように扱えるものではありますが、勿論、ジェスモナイトそのものの硬化時間が来たら固まってしまいます。
本記事の添加量を参考に、ご自身の制作にベストな状態を見つけてみてください。
また販売しているフィラー以外でも、おが屑や繊維くずなどをジェスモナイトに加えることで粘土のように扱うこともできます。興味のある方は、いろいろ実験してみてくださいね。
下記は各種フィラーの添加時の粘度の比較動画です。
(この動画は粘土として使う前提ではないので、各フィラーの添加量は少し少なめです)
こちらもぜひご参照ください。