Stand / 台座

Jesmonite種類: AC100,


下の写真は作業用に作った道具の「台座部分」です。3Dプリンタ(PLA)で出力しました。
上部の四角い穴に棒を通して使用します。設計・出力を3Dプリンタで行いましたが、試用していくうちに台座としては重量が軽すぎて、上部に力がかかると台が倒れてしまうという課題が見つかりました。3Dプリントで重くしようとすると、フィラメントを多く使用し、出力にも時間がかかってしまいます。

そこで、今回は3Dプリンタで出力した形をシリコンで型取りして、ジェスモナイトで複製してみることにしました。

使用量が全く異なるので比較はできないのですが、参考までにPLAフィラメントとジェスモナイトAC100のキロ単価の目安は下記のとおりです

フィラメント(PLA):1kgあたり2500円~4000円程度
ジェスモナイトAC100:1kgあたり1234円(14kgセットの場合)

シリコン型の作成

まずは3Dプリンタで出力した原型から、シリコン型を作ります。
シリコン型の作り方を簡単に説明すると、まずしっかりと水平の取れた台を用意します。ここで水平が出ていないと、シリコン型が斜めに傾いた状態で完成してしまい大変です。
平らでつやつやした台の上に原型を固定し、周りに壁を立て、シリコンが漏れ出さないようにします。

この写真では壁をブロックで作っていますが、牛乳パックなどでもOKです。わずかな隙間からもシリコンが徐々に漏れ出すので、隙間がないよう床面と壁面をきっちり埋めることが大切です。
シリコン型の詳しい作り方はYouTube動画でもご紹介していますので、興味のある方はこちらのシリコン型の作り方 ご覧ください。

次にシリコンを流し込みます。今回使用したシリコンは 型取り用シリコン3266 です。

型取り用シリコン3266

シリコンの主剤と硬化剤をしっかり混ぜてから型に流します。
今回使用したシリコンはちょうど1kg程です。

シリコン3266を流しこんでいるところ

シリコン3266を流しこんでいるところ2

なお、今回は3Dプリンタ原型に離形処理などはしていません。
(同じ原型を使って複数回シリコン型取りをすると、原形の隙間に徐々にシリコンが入り込んでしまい、シリコン型が原型からきれいに剥がれない場合があります。その場合にはシリコン離型剤(水系FD離型剤)を事前に原型に塗布しておくと綺麗に剥離します。)

寒くなければ半日程度でシリコンが硬化します。
出来上がったシリコン型がこちら。

ここにジェスモナイトAC100を流し込み、台座を複製していきます。
流し込みを行う前の準備として、ここでもやはり水平な場所にシリコン型を置くようにします。
テーブルが傾いていると、流し込んだジェスモナイトが斜めに固まってしまい、傾いた台座ができてしまいます。

 

今回は、ジェスモナイトAC100に着色したものをいくつか作ってみます。
使用するジェスモナイトAC100の量は300gです。(リキッドが86g、ベースが214g)
ジェスモナイトの必要量は、体積やサイズから計算できます。こちらのジェスモナイト使用量計算ページ が便利です。

シリコン型の端や角のほうは、ジェスモナイトがきちんと行きわたるよう、筆を使いながら流し込んでいきます。
また、シリコン型をトントンと上下に揺らして気泡を抜くこともお勧めします。完成したものがより綺麗になります。

そして、硬化した状態がこちら。
流した量に関わらず、ジェスモナイトAC100は20分前後で硬化します。(気温が低いと少し遅く25~30分、気温が高いと15分程度で硬化します。)
型から外せるようになるまでは、硬化してからさらに30分程度置く方が安全です。硬化後も時間と共に徐々に強度が上がっていきます。

型から外してみましょう。

原型となった3Dプリンタ出力の台座にある、細かい線もきちんと拾っています。
浅めの模様や線もしっかりと拾ってくれるのも、ジェスモナイトの良さのひとつです。

型の上部(完成品の底面にあたる部分)は、型に接地していないため、ものによってはジェスモナイトがはみ出たりもします。その場合は、サンディングペーパー等で綺麗に仕上げても良いかもしれませんね。
また裏面にフェルトを貼るなどすれば、テーブルを傷つけないように保護も可能です。

手に持った時のずっしりとした重さと、しっとりつるつるした感触はなかなか良いものです。

ちなみにこちらの台座は、パウチ容器を固定する台座でした。
作業用ですが、やはり色が入るだけで華やかです。

ひとつシリコン型を作っておけば、様々なバリエーションで複製を作ることができます。
今回は試していませんが、マーブル模様や他の材料を混ぜることも可能です。

 

シリコン型を作ることはひと手間がかかりますが、作業器具のちょっとした部分を好みのデザインで彩るのはとても楽しいと思います。
今回はシリコン型を作ってみましたが、柔らかい素材の3Dプリント物であれば3Dプリンタで型を直接出力することもできます。

試作やプロトタイプのみならず、完成プロダクトの一部パーツをジェスモナイトにするなど、何かに応用しても楽しいと思います♪
ぜひお試しください🐡

 

 

このサンプルに関連する素材

Jesmonite AC100: https://jesmonite.official.ec/categories/325206

型取り用シリコン: https://jesmonite.official.ec/categories/2536350

ジェスモナイト用着色剤: https://jesmonite.official.ec/categories/2198196