ジェスモナイトで薄く軽いものを作れますか?


Q.ジェスモナイトで薄く軽いものを作れますか?

A.可能です。強化繊維のサーフェイスマットの使用がおすすめです。

ジェスモナイトは繊維のない状態で薄くすると、卵の殻のように非常に割れやすいです。四軸ガラス繊維で強化できますが、2枚貼りで2-3mm厚の仕上がりが標準です。これをさらに薄く仕上げたいときは、サーフェイスマットという極薄のガラス繊維を使用することでより薄く、それなりの強度のある物が作れます。

できる限り制作物を薄く軽くしたい場合には、四軸ガラス繊維と比べると強度は劣りますがサーフェイスマットをお勧めします。サーフェイスマットはAC730にも使用可能です◎

▼サーフェイスマット(左)と四軸ガラス繊維(右) サーフェイスマットは薄い和紙のような質感。

 

▼サーフェイスマットを使って葉を複製する実験記事。こちらも併せてぜひ参考にしてください。

アイデアサンプル:LEAF REPRODUCTIONS / 葉の複製

※サーフェイスマットはガラス繊維です。皮膚に付着するとチクチクとした痛みやかゆみが起こる場合があります。作業時は必ず手袋を着用してください。衣類への付着も注意が必要です。チクチクが苦手な方、環境的にガラス繊維が心配な方は使用をおすすめしません。

本記事では実験工程とともにサーフェイスマットの使い方や強度についてご紹介します。

曲面にサーフェイスマットを塗布する

今回は風船の表面にサーフェイスマット1枚+AC100を塗布した場合と、サーフェイスマット2枚+AC100を塗布した場合の2つの実験を行ってみました。

 

それぞれ風船にサーフェイスマット1枚、2枚とAC100を塗布していきます。

先に風船にAC100を刷毛塗りし、上からサーフェイスマットを置き、AC100を塗布します。

サーフェイスマット2枚重ねの方は工程2回を繰り返します。

サーフェイスマットはフラットで張りのある紙状ですが、ジェスモナイト液を染み込ませると糊が溶けて柔らかくなり、多少凹凸が激しくても形状に沿って密着させやすいです。

繊維をすこし引っ張りながら作業することで風船の曲線にも沿っています◎

 

硬化後に風船を割って取り除きます。

どちらも薄くも割れずに風船から取り除くことができました!

それぞれの質感や強度について紹介します。

 

サーフェイスマット1枚+AC100

サイズ:およそ20cm × 15cm
重さ:13.8g
厚み:0.2mm

強度はありませんが、手で曲げても割れたり折れたりしない柔軟性があります。

非常に薄く、軽く、透け感があります。和紙や布になどに近い質感になりました。ジェスモナイトは塊だととても硬い材料なので、この柔らかさはとても不思議です。

 

サーフェイスマット2枚+AC100

サイズ:およそ20cm × 15cm
重さ:34.5g
厚み:0.7mm

1枚の方と比べると柔軟性はあまりありませんが、しっかりと風船の曲線を保ったまま硬化していて、強度があります。

繊維なしに比べると圧倒的に衝撃には強いものの、手で両側から力を入れたりと、1か所に集中するような力のかけ方をすると折れてしまいます。

 

それぞれの質感を動画にて紹介します。

 

こちらはAC100+サーフェイスマットを2枚、板状に塗り、硬化させた様子です。弾力性があります◎

 

今回の実験のように、サーフェイスマットを使うと、軽くて強度のある造形物の制作が可能です◎

ガラス繊維は苦手という方には、天然繊維のラミー麻繊維もジェスモナイトオンラインショップで販売開始しておりますので、ぜひ用途に合わせた素材選びの参考にしてください。

▼四軸ガラス繊維と麻布の強度実験のFAQはこちら
麻布を強化繊維として使えますか?

是非用途に合わせてお選びください!

この実験に関連する素材

ジェスモナイトAC100
サーフェイスマット 1㎡