ジェスモナイトAC100には専用増粘剤Thixotrope(チクソトロープ、と読みます)がありますが、専用増粘剤以外にも様々なフィラーを加えることで粘度を上げることができます。
フィラーには色々な種類や特徴があり、どれを選べばよいのか、何を基準にしたらよいかわかりにくいかもしません。
今回はいくつかのフィラーをジェスモナイトに加えて、それぞれの固さ・質感を比較してみた動画をご紹介します。
粘度に関連して、これまでに頂いたいくつかの質問をご紹介します。
・ジェスモナイトでパテ盛りをしたい。
・垂壁にジェスモナイトを塗る時、できるだけ垂れてきてほしくない。
・ジェスモナイトを直接手でこねて形を作りたいが、手にベトベトついて扱いにくい。
・ジェスモナイトが固まる前に表面にニードルで模様を付けたいが、カリっと跡が残ってほしい。
こんな時に専用増粘剤チクソトロープよりもフィラーの方が向いていることがあります。
ジェスモナイトに増粘剤やいくつかのフィラーを入れた時の違いを、食品にたとえてみるとこんな感じです。
- ミルコン→ マヨネーズ・フムス
- 専用増粘剤チクソトロープ→ 水あめ
- フュームドシリカ→ ホイップクリーム(5分立てくらい)
- シラスバルーン→ マッシュポテト
専用増粘剤チクソトロープは扱いやすく、強度に影響を与えずに手軽にAC100の粘度を上げられますが、塗布した後も水あめのようにゆっくりと自重でタレ落ちてきます。
シラスバルーンやミルコンを添加するとあまりベトつかずタレにくいですが、滑らかな質感は失われ、添加量が多いため強度も専用増粘剤チクソトロープにくらべると落ちます。パテのようにあえて強度を落として盛りたい場合や、ナイフ跡やハケ跡をカリッと残し、質感を出したい場合は、ミルコンやシラスバルーンがおすすめです。
フュームドシリカはごく少量の添加で抜群のタレ止め力があり、艶感も美しいのですが、フュームドシリカの粉は超軽量で嵩が大きく、ふわふわとホコリのように飛び散るので少し扱いにくいです。
フュームドシリカを0.8%添加したときの例。ひっかいた跡がそのまま残ります。
ざっくりと説明しましたが、このようにフィラーや増粘剤にはそれぞれ一長一短があります、また添加する量によっても強度や粘度が変わってきます。ぜひご自身で実験をして新しい使い方を開発してみてください。
ちなみに今回は粘度を上げる話でしたが、AC100の粘度を下げたい場合には、シンプルにジェスモナイトのリキッドとベースの比重を変えて、リキッドを多めに配合することで粘度を下げることが可能です。
リキッド1に対して、ベース2の比率であれば問題なく硬化します。
(※ただし基本の1:2.5の配合比がベストバランスで、それと比べると強度は落ちますのでご注意ください。)