Jesmonite® AC100で丸いテラゾ天板を制作しました。
製作工程をできる限り詳しく、気を付けるポイントなどを交えつつ紹介してみたいと思います。
YouTubeで動画公開しています。
それでは、作成紹介スタートです。
1.ジェスモナイトフレークの作成
あらかじめテラゾに使用するフレーク(種石)を作って準備します。
テラゾのデザインについては、事前に小さな試作をいくつか作成してベストな配色・フレークサイズ・添加量などを決めています。
フレークの色は5色準備し、下記のような割合で配合しました。
・ピンク:30%
・オレンジ:30%
・青:14%
・赤:14%
・白:12%
■ジェスモナイトフレークの作り方はこちら
YouTube「ジェスモナイトでカラーフレークを作る 」
■配合量によるテラゾの見え方違いはこちら
ジェスモナイトLAB「テラゾ:フレーク/チップ配合量について 」
2.型の準備
今回使用したのは、IKEAのテーブル「GLADOM グラドム」
縁が立ち上がった スチール天板を「型」として使用してみる試みです。
画像は https://www.ikea.com/ より引用
ジェスモナイトが外しやすいように、PETフィルムをカットして底面と側面に敷いておきます。
さらに底面に直径41㎝程度にカットしたラワンベニヤ合板(12mm厚)を敷いて裏面に両面テープで鉄フレームに軽く固定しておきます。
合板はジェスモナイトの使用量の削減と軽量化のために使用しています。この合板は取り外さずそのまま埋め込んでおくものです。裏に脚を取り付ける場合などに裏面が木だと取付加工がしやすく便利です。
POINT:
木はジェスモナイトより軽いため、きちんと底に固定しないとジェスモナイトを注型した後で木が浮いてくることがあり要注意です。
合板サイズ:直径41cm、厚み1.2cm
↓
ジェスモナイトは、天面部は1.3㎝厚、側面部は2cm厚で入る想定です。
※今回はベニヤ合板には特に下処理をしていませんが、ジェスモナイト層が薄い、ジェスモナイトを薄い色で仕上げる、木の品質など、様々な条件により、あとあと内部からアクが上がってくる可能性や、板が反って剥離する可能性などもあります。必要に応じて、アク止め処理/食いつきをよくするための表面処理等を施工してください。
3. ジェスモナイト準備
ジェスモナイトAC100の必要量は下記のように求めることができます。
・3,815cm3 – 1,584cm3 = 2,231cm3
↓
・ジェスモナイト量は、体積×1.85で出せるので、4127gが必要量
合計で4200gのジェスモナイトが必要ですが、液体のジェスモナイトと、すでに作ったフレークで分量を振り分けます。今回のテラゾでは、20%程度のフレークを混ぜたかったので下記配合で。
・液体のジェスモナイトAC100:3400g
・ジェスモナイトフレーク:800g
メインカラーの着色剤を、AC100リキッドにあらかじめ混ぜておき、着色しておきます。
・AC100リキッド:972g(着色済)
・AC100ベース:2428g
合計:3400g
ポイント
リキッドの容器にベース(粉)をふり入れるので、リキッドは大きい容器に入れておく必要があります。
4. ジェスモナイトの攪拌と流し込み
リキッドの容器とベースを混ぜ合わせたら、ミキシングブレードでよく混ぜます。
さらにそこにフレークを加えてヘラで良くなじませます。
流す前に容器を床などにドンドンして、振動でできるだけ液中の空気を抜いておくとよいです。
さて、いよいよ流し込んでいきます♪
計算通りぴったりの量でした。
左右に揺らしたり、型を叩いたりして、気泡を抜き、表面をフラットにします。
※型が傾いていると、斜めのまま天板が固まってしまうので、しっかりと水平になるように角度を調整します。
5. ジェスモナイト硬化待ち
ジェスモナイトは、大体20分前後で固まります。
固まりたては強度が低く壊れやすいため、最低でも40分ほど置いてから脱型します。
今回のように、硬いフレームから力を入れて外す必要がある場合は、3~4時間以上置いてから脱型する方が安心です。
硬化後↓
6. スチールの型から外す
今回は作業の都合で、1週間後に脱型しました。
スチールのフレームからジェスモナイトを外します。
PETフィルムを敷いていましたが、すんなりとは型から外れてくれませんでした。
スチールフレームの底に、ひっぱり出す用に透明バンドを仕込んでおいたのですが、どんなにひっぱっても抜けず、とうとうバンドはちぎれました。
叩いても、全く抜ける気配がありません。
やむなくグラインダーを使ってスチールフレームの側面を2か所切断しました。
隙間ができたら金ベラとハンマーを使って取り出します。
とれました!裏面に合板が入っているのが見えます。
ようやく型から抜くことができました👏
このスチールのフレームを使って過去に2回試しましたが、脱型には毎回苦戦しています。
補足:
スチールとジェスモナイトが接着したのではなく、ジェスモナイトAC100が硬化時にわずかに膨張すること、またスチール側面に抜け勾配がなかったのが原因と思われます。
7. テラゾの削り出し
いよいよ表面を削り出してテラゾーの模様を出していきます。
トロ舟(プラスティックケース)を準備し、少し水を入れて、中で電動サンダーを使って削っていきます。
使用したのはシングルアクションの電動サンダーです。一方向に回転することで効率よく材料を削り取れるためです。ペーパーは、スーパーアシレックス レッド #150(粗目)を使用。
Point:
ダブルアクションサンダー/オービタルサンダーでは研磨力が弱く、テラゾのようにしっかり削りが必要な場面ではあまり適していません
水に濡らしながら削ることで、粉塵が全く舞わないため、クリーンな空気で作業できます。
表面に少しづつ水を流し、削り粉を洗い流しながら削っていきます。
削ったところだけ、テラゾのカラフルなフレーク模様が見えてきました!
この調子で他の部分も削っていきます。
天面の模様がきれいに出ました。
天板の側面は、そのまま削ると周囲に水が飛び散りそうだったので、水研ぎはせずに卓上ベルトサンダーを使用して削りました。
テラゾの模様がすべて現れたら、次は電動ポリッシャー+スーパーアシレックススカイ #360(細目)に変えて、研磨キズを消し、仕上げの研磨をします。
研磨が終わったら、水とブラシでしっかりと表面を洗い流し、細部に詰まった削り粉を取り除きます。
8. 気泡の補修
研磨後の表面は気泡の穴が沢山出てきてしまっているので、この穴を埋めて綺麗にしていきます。
穴埋め補修の前には、ホコリやサンディングの粉が残らないように清掃してから作業します。
同じ色味に調合したジェスモナイトAC100(約100g)を、通常の1:2.5で混合し、天板の上に流して、ヘラで気泡の穴に摺り込んでいきます。
余分なAC100をヘラで落として硬化を待ちます。
固まったら再びサンディング。
穴埋め補修は、表層を少し削るだけなので、電動ポリッシャーにスーパーアシレックスレッド(#150)をつけて削りました。大体削れたら#360に変えて表面を整えます。
穴埋め前と、穴埋め後の比較写真がこちらです。
大きな気泡は全てしっかり埋まっています。
今回は穴埋め用に使ったAC100の色味が少し違ってしまいましたが、穴はしっかりと埋まりました♪
(最初の流し込みの際に色を調合したリキットを穴補修用に保存しておくとよいですね。)
1回ですべての気泡が埋まらなかったら、穴埋め工程をもう一度繰り返したら大丈夫です。
ウエスで拭きあげると、つやっと磨き上がりました✨
9. コーティング
そのままのジェスモナイトは水や油を吸うため、テーブルとして使用するときはコーティングして防汚性を上げた方が良いです。
水で濡らしたときのような濃い濡れ色にしたかったので、今回は亜麻仁油とミツロウワックスを使って仕上げました。
まず最初に亜麻仁油を塗り込みます。
たっぷり染み込ませたら、ウエスで余分なオイルを拭き取ります。
最後はミツロウを摺り込んでしっかりと拭き上げます。
ウエスでしっかり擦ることでより艶が出ます。
完成です!✨
オイル+ワックス仕上げはそこまで保護力が強くないので、定期的なメンテナンスが必要です。
強度の高いコーティングが必要な場合「ステインプルーフコート(2液水性ウレタン) 」などの強力なコーティング剤を検討してください。
作業場所や道具が必要なのでなかなか気軽にはできませんが、自分でカスタマイズした配色のテラゾテーブルを機会があれば是非トライしてみてください♪
今回使ったもの
型
・スチールのフレーム(IKEA製品)
・ラワンベニヤ合板(埋め込み用)
・PETフィルム
材料
・Jesmonite® AC100(3400g)
・Jesmonite® ピグメント 適量
・ジェスモナイトフレーク(800g 自作)
コーティング
・亜麻仁油
・ミツロウワックス
使用した工具
・電動ドリル(ジェスモナイト攪拌用)
・電動サンダー シングルアクション(研磨用)
・ベルトサンダー(研磨用)
・電動ポリッシャー(仕上用)
・ディスクグラインダー(金属切断用、通常は不要)
その他ツール
・ミキシングブレード
・ディスポカップ
・防塵マスク
・秤
・ヘラ
・トロ舟
・集塵機
・サンドペーパー
・ウエス