Q.ジェスモナイトピグメントと水性CWカラーの違いは何ですか?
A. どちらも水性の着色剤ですが、それぞれ特徴があります。
ジェスモナイトオンラインショップでは、2種類の水性着色剤を取り扱っています。
ひとつは「ジェスモナイトピグメントJesmonite Pigment」という英国製の専用着色剤。もうひとつは国産の「水性CWカラー」という着色剤です。
▲左:水性CWカラー 右:ジェスモナイトピグメント
どちらも水性で、ジェスモナイトでの制作に使用できるのですが、少し特徴が異なります。
今回は、こちらの2種の着色剤の違いについてご説明します🌼
1. 発色性
発色性はジェスモナイトピグメントの方が高く、少量でも濃い着色が可能です。
対して、水性CWカラーで同様の色味を出そうとすると着色剤の添加量が多めに必要になりますので、鮮やかな色・濃い色を出したい時は ジェスモナイトピグメントが良いかもしれません。
▼各種類 2%添加したサンプルピース
同じ重量を添加しても、このように色味や濃さに差が見られます。
しかし水性CWカラーに濃い色が出せないのかというと、そういうわけではありません。
下記のように、添加量を増やせばしっかりと色が出ます。
また、ジェスモナイトのベースとリキッドの混合重量に対するそれぞれの最大添加量の目安は、下記のようになります。
ジェスモナイトピグメント:2%
水性CWカラー:5%
最大量まで添加すると濃い色味になりますが、薄い色がよい場合には希望の色になるまで添加量を減らして調整できます。
そういった面では、ジェスモナイトピグメントでは薄めの色を調整するのが難しい場合もあります。使用するジェスモナイトが少ないほど、ちょっと着色剤を足しただけで濃くなってしまうことも。
いずれも着色剤を入れすぎてしまうと強度が下がる、硬化が遅れるなど、物性への影響が起きやすくなりますので、用途に応じてご調整ください。
2. 長期保存性
長期保存性は水性CWカラーの方が良く、メンテナンスなしで長期間保存が可能です。
ジェスモナイトピグメントは少量でも濃い色を出せるだけに、顔料成分が非常に濃く、色の種類によっては成分が分離・凝固しやすいものがあります。ジェスモナイトピグメントは使用しない場合も、定期的に容器を振ったり揉んだりして、分離や凝固を防ぐことが必要です。多少の分離や固まりができても、振ったり揉んだりすることで回復します。
対して水性CWカラーはある程度の長期間放置しても分離するなどはありませんので、保管はお手軽です。
3. 色の種類
ジェスモナイトピグメントと水性CWカラーは、カラーバリエーションにも差があります。
下記、ジェスモナイトオンラインショップでの各種取り扱い一覧です。
ジェスモナイト ピグメント |
水性CWカラー | |
---|---|---|
ブラック Black | ● | ● |
ホワイト White | ● | ● |
ブルー Blue | ● | ● |
グリーン Green | ● | ● |
ブライトレッド Bright Red | ● | |
ブライトイエロー Bright Yellow | ● | |
レッドオキソイド Red Oxide | ● | |
イエローオキソイド Yellow Oxide | ● | |
テラコッタ Terracotta | ● | |
コード Coade | ● | |
ピンク Pink | ● | |
オレンジ Orange | ● | |
パープル Purple | ● | |
蛍光ピンク Neon Pink | ● | |
蛍光パープル Neon Purple | ● | |
蛍光イエロー Neon Yellow | ● | |
蛍光レッド Neon Red | ● |
ジェスモナイトピグメント・水性CWカラーに関わらず、色同士を混ぜて調色することができます。
まとめ
再度となりますが、
ジェスモナイトピグメント は発色が良く顔料成分が強いところがポイントですが、うっかり放置してしまうと容器の中で固まってしまうので保管には注意が必要です。
対して水性CWカラーは、Jesmonite製と同様の発色を求める場合は多めの添加が必要になりますが、すぐに固まってしまうようなことは無いので長期保管には向いています。
なお、ジェスモナイトピグメント も 水性CWカラーも、他の材料(ジェスモナイトやコーティング材など)に混ぜて着色するための材料なので、ピグメントを他の材料とよく混ぜずに使用すると、その部分はいつまでも固まらずに色落ち・色移りの原因になりますのでご注意ください。
表現に合ったものをお選びいただけたらと思います🌸